「きもので無料」堀野記念館に行きました

堀野記念館  京都では毎年3月の春分の日までの約2週間、伝統産業の日としていろいろんな催しがあり、中でもきもの姿なら無料で市バス・地下鉄に乗れてその上、平安神宮の神苑などの施設も無料で入れたりと、きもの好きには非常にありがたい特典があり、毎年楽しみにしています。

今年は母が知り合いからお琴の演奏会のチケットをいただいたので、演奏会とキンシ正宗「堀野記念館」に行きました。(入場料は300円ですが、きもの姿で無料でした)

ここは酒造り発祥の地で、京都御所にも梨木神社の名水がありますが、御所の南に位置するこの場所も美味しい地下水が豊かに湧き出ていて、現在も枯れることなく、年会費を払って料理屋さんなどがお水を汲みに来るそうです。確かにこの水でコーヒーやお茶を入れたらきっと味が違うのでしょうね。

実際にお水をいただきましたが、灘のお酒が硬水なのに対して軟水ということでした。正直、私はあまりわかりませんでしたが、思ったより冷たくなかったです。年を通じて一定の水温が16度だそうです。こんなにたくさん水が出ているのには驚きでした。

現在のキンシ正宗の本社は伏見にありますが、明治天皇が東京へお移りになってから需要が減り、伏見に移転したそうです。

町家も公開されていて、要所要所ポイントをわかりやすくガイドの方が教えてくれて興味深かったです。商談や接待をする部屋はシンプルにしてあるとの事。なぜなら派手にするとそれに気をとられ、例えばせっかく舞妓さんがおでましになっても、映えないからとの事でした。「なるほど!昔の人はよう考えたはるなあ」と思いました。

また床の間の棚に使用している木も長い年月を経て模様が出てきて、味わい深い色になっているそうで、選ぶ目も確かで、本当にセンスいいですね。

お酒と地ビールを試飲させていただきました。

春限定のお酒と1万円もするお酒をちょっぴり飲みましたが、正直言って味の違いがわからなかったですね。甘口、辛口というのも人によって感じ方が違うそうですが、まあ気持ちよく楽しいお酒が飲めたら最高ですね。

せっかくなのでお土産に春限定の「平安のしだれ桜」と言うお酒を買って帰りました。母上様は同じお酒と酒かす飴を二つも買っていました。

ガイドの方の説明もわかりやすく、楽しめて、スタッフの方もとても気さくで、ゆっくりと試飲をしながらおしゃべりをしてゆっくり過ごせました。

帰り際にスタッフの方が、周囲がマンションだらけになってきて、そのうち坪庭も建物にさえぎられて光が入らなくなるかもしれないと危惧されていました。このような町家もずっと残すのはお金もかかるし、大変ですが、つぶしたらもう復元するのは難しいですから、もっとたくさんの人に見て欲しいなあと思いました。

京都に住みながら初めて見学させていただきましたが、お酒の事だけでなく、いろいろと勉強になり、とても有意義な時間を過ごせました。

京都にはさまざまな観光スポットがありますが、場所が入り組んだ所にあるせいか人も少なめで、穴場で、ゆっくりできて本当によかったです。お酒がお好きな方はぜひ足を運んでみてください。