岡崎・白川を歩く
先日(6月最後の日曜日)、京都市埋蔵文化財研究所と考古資料館主催の「岡崎・白川」を歩くイベントに参加しました。このイベントは京都歴史散策マップの刊行記念で実施されました。集合時間の10分前に着くと、既にたくさんのシニア世代の方が待っておられました。
今回は南禅寺から岡崎界隈約3キロを2時間かけて歩き、途中でスタッフの方による説明や遺物の展示がありました。
岡崎は平安時代、藤原氏の邸宅があり、その後、天皇のお寺が次々と建てられて(六勝寺)、白河と呼ばれていました。そして白河の地にそびえたつ八角九重塔はいわば白河のランドマークで、東の国から都に入ってきた者はまずその姿に圧倒されたとのことです。そりゃ、この時代に東寺の五重の塔よりもだんぜん高かったんですからね。度肝抜かれますね。
ねじりまんぽから南禅寺までは、邸宅が続き、明治時代、疏水の水を庭に引いて、素晴らしい庭が造られたそうです。
梅雨の中休みか雨も降らず、緑がきれいな南禅寺、水路閣も日曜にもかかわらず、人はまばらでした。
今回、特に興味深かったのが、京都会館の前でのこの辺りから出土した遺物の展示でした。八角九重塔の瓦の一部などは九の字がはっきりとわかり、「これが平安時代にあったスペシャル級サイズの塔の瓦の一部なんやあ!すごいなあこんなん残ってるなんて・・・」って思いました。
またスタッフの人の説明で、例えば、なぜか同じ場 所から違う瓦が出土してきて、「なぜだろうか?」と考え、つきつめていくと、いろいろな地方からの寄進の瓦と言う事が分かったそうです。例えば、播磨の土でできた瓦、讃岐、美濃、丹波・・・などなど土も違えば、製法も違うといった具合で、歴史的事実がわかるからこそ発掘調査は重要で、意義があるのを実感しました。
発掘調査ってお金も時間もかかりますが、歴史的事実がわかるんですから素人ながらにもロマンあるなあとつくづく感じました。
今回の岡崎・白川以外にも京都歴史散策マップは15コースあり、ホームページからダウンロードできますし、考古資料館でも一応もらえるようです(先着何名だか忘れましたが)。なかなか良い地図ですから歴史好きの方はもちろん、歩くのが好きな方にはオススメの地図です。
緑の中を歩き、歴史を学び、心身ともにリフレッシュできて楽しい一日となりました。スタッフの皆様、お世話様でした。