高橋由一展in京都国立近代美術館
9月最後の日曜日、「高橋由一」の展覧会を見るために近代美術館に行きました。
キャッチコピーに「日本一有名な鮭」と紹介されているように、鮭の油絵は誰もが見た事があると思いますが、「えっと、どこで見た事があるのかなあ?」と思いきや、美術の教科書でした。
でも作者の名前まではなかなか言える人は少ないのではないでしょうか。
特に予備知識もなく(というか知らないだけですが)、最初にあったちょんまげ姿の自画像にしろ、花魁にしろ、インパクトを感じずにはいられない印象に残る作品が多くありました。
見終わった後で、1階の休憩スペースの横にある解説ビデオを拝見しました。(私以外にもう一人座っておられるぐらいで、嘘みたいに空いていました。)
武士の家に生まれながらも体が弱かった由一ですが、絵を得意として才能をのばし、幕末に西洋の石版画を見てからは日本に西洋画を取り入れる事を自分の使命として、40歳から精力的に活動し、あの鮭が代表作の一つとなりました。
当時は日本画全盛の時代で、西洋の絵を取り入れるにも画材もなく、手作りで絵の具を作り、未知の領域の上、留学経験もないにもかかわらず、画塾を開いて自由な発想でこれだけの作品を書き上げたのは本当に素晴らしいと思いました。どの作品も命がみなぎっているかのような強いパワーを感じました。
この日は台風が近づいているせいか、人出が少なく、開館してまもなくの時間だったせいもあり、空いていて、非常にゆっくりじっくり鑑賞できました。
(ただし、この日はやはり台風を懸念して11時半で臨時閉館となり、見ている途中の人は整理券をもらえば後日また入れる措置がとられていました。)
10月21日(日)まで展示されています。芸術の秋に行かれてみてはいかがでしょうか。