茶碗の中の宇宙 楽家一子相伝の芸術を見てきました

京都市美術館のお向かいにある国立近代美術館で昨年の12月17日から開催されている「茶碗の中の宇宙」を見てきました。

一子相伝とは言っても、伝統にとらわれず、作り手の個性が光る初代から15代までの渾身の茶碗の数々を鑑賞できた事、これぞまさに一期一会ではないでしょうか。

たかが茶碗、されど茶碗かもしれません。しかしこれほどまでに芸術性の高さが問われる茶碗はないです。装飾性も華美さもなく、手で土をこねて作られた素朴な焼き物なのにそこはかとない美しさを感じるのはなぜなのか?シンプルイズベストなのか?千利休と初代長次郎の天才同志のコラボによって生まれた楽焼は現代まで脈々と受け継がれ、その時代、作り手によって多彩な表現が生み出され、その魅力を十二分に堪能できる企画展でした。

生活様式の変化や時代の流れで最近、茶道や華道などを習う人が少なくなっているようで、私自身も以前茶道を少し習っていて、当時はお点前を間違えたらいけないとそればかりを意識していましたが、年を重ねるごとに茶道の奥深さを感じます。茶道は季節感も感じる事ができ、なおかつ五感もフルに楽しめます。

例えばお抹茶の香り、黒楽茶碗で点てたお抹茶のグリーンは見た目に非常に美しいし、お茶碗を触ると土の温かみを感じられますし、茶筅でお抹茶を点てている音など本当に精神を清められるような感じです。

話が少しそれましたが楽焼を通して改めて茶道の魅力も感じられ、清々しい気持ちになれた一日でした。

2月12日まで開催されています。

当日会場に行かれたら音声ガイドプログラムを利用されることをお勧めいたします。