紅葉の南禅寺・哲学の道
勤労感謝の日、南禅寺、哲学の道をへて鹿ケ谷の安楽寺へ紅葉狩りに行ってきた。
南禅寺の駐車場は普段は比較的空いているが、紅葉シーズンのためもともと大きくない駐車場はやはり満車で、Uーターンする他府県ナンバーの車を何台も見かけた。
南禅寺では三門の見事な紅葉にカメラを向けるも、人だらけだった。
水路閣のもみじもいい感じに紅葉していてこちらも人気撮影スポットの一つだった。
南禅寺を出て、途中永観堂もあり、こちらももみじで有名な名刹で、たくさんの人でにぎわっていた。
哲学の道は桜の時期に人気だが、紅葉はさほどでもないので比較的、春に比べると歩けて、きれいだった。哲学の道沿いには神社やお寺が点在しているが、今回は春と秋のみ公開されている安楽寺へ向かった。
茅葺の屋根をくぐって拝観料(大人1名400円)を払い、歩を進めるとこじんまりとしたお寺 ですが、お庭が丁寧に手入れされていて千両もちらほら植えられていて、大切にお寺を守られているのを感じた。靴を脱いでさらに本堂にも上がらせていただき、お寺の由来のお話を聞いた。
このお寺は浄土宗の法然上人の弟子の住蓮上人と安楽上人が鹿ケ谷草庵を作ったのが始まりで、後鳥羽上皇に女官として仕えていた松虫姫、鈴虫姫(なんだか変な名前ですね)が出家した寺で、
この二人はインテリで容姿端麗な姉妹で、後鳥羽上皇から寵愛を受けて、周囲からの嫉妬も相当なものであったとのこと、
両姫は虚飾に満ちた御所での生活から仏門に入りたいと思うようになり、後鳥羽上皇が熊野詣でで留守中に、この安楽寺を訪れ、住蓮、安楽上人に剃髪してもらい、出家した。
その後、後鳥羽上皇がこの事を知って激怒し、法然上人、親鸞上人は流罪、住蓮、安楽上人は処刑され、両姫も瀬戸内海の島の光明坊で念仏三昧の余生を送り、若くして往生を遂げたとの事だった。
言うまでもないが、昔は自由に生きたくても、決められた枠にはまって生きる人がほとんどだった。
この二人の姫が出家した事で、法然上人はじめ関係者にまで影響が及び、
彼女達もつらかったろうと思う。
「うゎあ!きれいやなあ!」と紅葉をきゃきゃ喜んで見ていたが、
このお話を聞いた後は真っ赤な紅葉を見つめるとなんとなく切なく感じた。
最後に彼女達のお墓に参って安楽寺を後にした。